模倣犯

模倣犯 [DVD]

模倣犯 [DVD]

原作小説(文庫版)をやっと読み終わったので、先日深夜にテレビ放送されたのをやっと見ました。
いやーなんというか・・・原作→映画の順で見たのが失敗だったのか。
なんだろう、この見終わった後の空虚な感じ。
原作での人物の内面の細かな書き込みや、色んな方面から事件を見せて最後にドカンと決着させる著者の気遣いを、見事に裏切ってくれました。もちろん悪い意味で。
もはやつまらないを通り越して怒りさえ感じる・・・


特に人物の書き込みが薄すぎる。
事件の異常性と、その裏にある動機や犯人の心の動きが両方そなわってるからこそ、この話は面白いのだと思う。
まあ、文庫にして5冊もある話を2時間程度の映画にまとめるのが到底無理だというのは、他の原作のある映画を見ててもわかるけど、だったら猟奇事件に直接関係ない人物の部分をばっさり切ってしまって(真一とか武上さんとか)、事件の部分だけを映画にしてくれれば良かったのに。
中途半端に沢山キャラを出そうとするから、全体的に散漫で中途半端な印象になるんだよー
特にヒロミの根底にあるあの暗い動機とカズとの関係が描かれなかったのがほんとに残念でならない。あたしはこの2人の山荘のシーンがこの小説の一番すごみのあるところだと思うので。
津田寛治藤井隆が良かっただけに、ぜひこのシーンを演じてるのが見たかった。


見た人全員が突っ込みたくなるあのクライマックスにいたっては、もう笑うしかないね・・・


Wikipedia模倣犯のページによると、宮部みゆきさんは映画の出来に満足せず、試写会の途中で退席してしまったらしい。
しかたないわ。


※ネタバレ注意!
http://ja.wikipedia.org/wiki/%E6%A8%A1%E5%80%A3%E7%8A%AF


映画しか見てないという人、ぜひ原作を読んでみて!もしだったら貸すし!
あの映画でこの作品が評価されたらすっごい悲しいわ・・・