ハプニング

redsmoke2008-08-11


渋東シネタワーにて




いろんな意味でとってもシャマラン的な作品。
相変わらず「何か悪いことが起こりそう感」を演出させたらピカイチですな。
てか今回は最初っから悪いこと起こりまくりなんだけど、主人公がどこまで追いつめられちゃうのー!みたいな持って行き方がやっぱり上手いと思う。


今まではそのオチの付け方があまりにもずっこけで批判を浴びていたけども(あたしはそれも含めて好きなんだけど)、今回は「ハプニングの原因なんてどうでもいいじゃん。俺そういうのが言いたいんじゃないもん」という、いい意味での投げっぱなしな作りが爽快だった。
シックスセンス」からこの「ハプニング」までのシャマラン作品は全部見てるけど、この人の映画は「B級な素材を使ったヒューマンドラマ」だってことにもっとみんな気付いて欲しい!そしてびっくりオチをあんまり期待しすぎないで欲しい!
そういう意味でこの映画はオチの名言を避けていて正解。納得できない人も多いだろうけど・・・


で、余談。
シャマランってデヴィッド・リンチにちょっと影響受けてたりするのかな。
あの弦のフラジオっぽい不協和音で不安感を煽ったりとか、人の顔のアップにカメラを固定しておいて観客に「それ絶対後ろになんかいるだろー!」ってドキドキさせるやり方とか。
あたしはリンチの映画は本心から怖くて、定期的に一時停止して深呼吸しながらじゃないと見られないくらいなので、その程度の要素しかわからないんだけど・・・


でもシャマランはリンチに比べるととっても良くも悪くも真っ当な人で、ちゃんと万人受けするストーリーを作れるところが大きく違うと思う。
なんだろ、同じボードレールの詩に曲をつけるにしても、フォレとデュパルクじゃ頭のおかしさという点で共鳴度が違うっていうのと同じような・・・